化粧水に入っている「BG」は肌に悪い?成分の役割や知っておくべきこと
化粧品の成分として記載されていたり、「BGフリー」という表記されているのを見たことがありませんか?
BGとは「ブチレングリコール」という成分を意味します。
良くない成分じゃないのか、肌に悪影響がないか、心配になる人もいるのではないでしょうか。
結論を言うと、BGは肌に悪影響を及ぼすほどの危険な成分とはいえないでしょう。
この記事では、BGの効果や気を付けることについて解説します。
BGについて知ることで、自分がBGを避けるべきなのかがわかり、化粧品を正しい目で選ぶことができるでしょう。
化粧水に含まれる「BG」は安全な成分!刺激性は?
BG(ブチレングリコール)は、化粧品に広く用いられる多価アルコールの一種です。
アルコールというと、肌に良くなさそうなイメージもありますが、他の成分に比べて肌に対する刺激が少なく、過去に深刻な問題となったケースも特に無いため、危険な成分ではないでしょう。
ただ、まったく刺激がないというわけでもないので、肌が弱い人にとっては気になることもあるかもしれません。
「BG不使用、BGフリーの化粧水はないの?」と気にしている人も少なくないようです。
わざわざ配合するなら理由があるはずですよね。なぜ入っているのか、効果や役割を知っておきましょう。
BGには3つの効果がある
効果1:「肌の潤いを守る」(保湿効果)
BGは吸湿性と保水性を持ち、肌に潤いを与えると同時に、バリア機能(水分蒸発を防ぐ機能)をもたらす効果があります。
一般的によく用いられる保湿剤としてBGのほかに、 DPG(ジプロピレングリコール)、グリセリンが挙げられますが、その中でもBGは肌への刺激が少ないため、化粧品に多く使われています。
効果2:「菌の増殖を防ぐ」(抗菌作用)
化粧水は水と油を含むので、カビや雑菌が繁殖しやすいです。
菌の繁殖により腐ってしまった化粧水を使用すると、肌トラブルの原因となってしまいます。
アルコールの性質の一つの「抗菌作用」をもつBGには、菌の繁殖を防ぐ作用があります。
それにより、化粧品を安定的に長持ちさせることができるというわけです。
効果3:「植物エキスの抽出」
BGには、植物からエキス成分を抽出して保持する「抽出溶媒」としても用いられます。
次のように植物エキスを抽出します。
- BGを水に溶かしたBG水溶液に植物を浸ける
- 植物からエキスが染み出す
- 植物エキスが溶け込んだBG水溶液を、植物エキス原料として用いる
BGが抽出溶媒としてのみ使用された場合には、成分表示の最初の方に記載されることが多いです。(成分表示の順番は、配合量の多い順に表示される)
BGは肌に影響を与える場合もある
BGは、毒性や刺激性がほとんどない、安全性の高い成分ではありますが、化粧品かぶれが起きてしまう恐れが全くないというわけではありません。
中には、赤みが出たり、かゆみなどの肌荒れが起こる人もいるようです。
※「化粧品かぶれ」とは、化粧品に入っている成分によるアレルギー症状のことを指します
では、どうすれば肌荒れのリスクを避けることができるのか。
それは、自分の肌質を知ることや、BGが配合されている量に気をつけることです。
BGが化粧水に含まれていた時に知っておきたい2つのポイント
BGの配合率の高さは、成分表示の順番を確認
成分表示の順番は配合量の多い順に表示されています。
ですので、BGの順番を確認すると「BGの配合率」の高さをおおむね知ることができます。
最初の方に記載があれば配合率が高く、防腐剤として採用されている可能性があります。
逆に、後ろの方であれば配合率が低く、植物エキスの抽出のために用いられている可能性があります。
アルコール過敏の人には刺激になることもある
「アルコール過敏」とは、アルコールに対して過剰に反応してしまうことで、アレルギーを引き起こすことがあります。
症状としては、次のようなものがあります。
- かぶれる
- かゆみや赤みなどの症状が出る
- つけるとヒリヒリする
敏感肌で心配な方は、本格的に使用する前に「パッチテスト」を行うとよいでしょう。
購入前に試すことができる無料サンプルを用意しているメーカーもあります。
問題がないか、実際に肌につけてみて確認するとよいでしょう。
もし、何かしらの症状が出る場合は使用をやめ、皮膚科に相談することをおすすめします。
BGについてのQ&A
Q. BGが配合されていてもアルコ―ルフリー?
A. 「エタノール」を配合していなければ、BGが使われていたとしてもアルコールフリーの化粧水です
化粧品の成分としてのアルコールは「エタノール」を指します。
エタノールは、消毒液やお酒に含まれるアルコールと同じで、敏感肌の人が肌につけると乾燥したり、刺激を感じたりすることがあります。
エタノールが配合されている場合、成分表示にエタノールと記載されます。
これは、防腐の目的で用いられる「フェノキシエタノール」も同様で、エタノールを配合していない場合、アルコールフリーとなります。
Q2. BGとDPGの違いは?
A. DPGは、BGよりも保湿性が高く、防腐効果が優れています
DPG(ジプロピレングリコール)の原料は、りんごやとうもろこしなどといった自然のものから作られます。
化粧品に使うと、すべりや伸びが良くなるので、美容液やファンデーションなどの様々な化粧品に配合されています。
BGは安全だけど敏感肌の人は注意
化粧品を使用して、肌にトラブルが起きたとしてもBGが原因とは限らず、ほかの成分が原因となっている可能性もあります。
敏感肌の人や気になる方は使用前にパッチテストを行い、肌への悪影響を避けながら化粧品を選びましょう。